次の日…。
退院して今は寮への帰り道を翔さんと歩いていた。
好きという気持ちはやっぱり変わらなくて、息が詰まる。
さっきから翔さんの想い人が気になって口を開いては閉じ…開いては閉じ、を繰り返す私は…端から見たら金魚のようだろう。
「…どうしたの?」
「いや、えとっ…あの…。
何でもないです…」
やはり気になったのか、私に目線を合わせて聞いてきた。
けど私は挙動不審で、応えられず…。
想いを伝えられない事がこれ程まで焦れったいこととは思ったこともなかった…。
でも、今伝えなくちゃいけない気がする。
私は立ち止まり、少し前を歩く翔さんの制服の袖を引っ張った。
