…また、風が吹き桜が入り込んだ。 それと同時に左部さんは涙を流し崩れ落ち、病室には医者を連れた銀たちが来た。 「…私は、どれくらい寝ていたのかしらね」 皆の成長を見てか、寂しそうに呟いて涙をぬぐった。 俺は何故かその言葉に応えられず、聞こえないふりをした。 期間を表す言葉じゃなくて… 止まった自分の心に対している気がしたからかもしれない。 応えられなかった理由は。