「ねえ」

自分でも驚く程の冷たい声。
女の子は尻餅を付き、後ずさる。

「これだけじゃ、ないんだよ」
カラコンを外し、見せてあげる。
女の子の顔は恐怖に歪み、更に後ずさる。

「やっぱり…皆そうなんだね。
私の容姿を見たらそうやって怖がる。

ねぇ、私をどうしたい?

まだいじめを続ける?
そんなに私を追い詰めて…楽しい?」

そのとき、ガラッっと教室のドアが開いた。

「……胡、桃?」

私に一歩近づく人影。
反射的にそっちを向いたとき、私は動きが止まった。

「真千ちゃん…なんで…」

…なんで帰ってきちゃったの?
ふらっと目眩がして、私の意識が途絶えた。