「女だとは聞いてねぇ」 ……私、追い出されちゃうのかな…? 途端に不安が込み上げ、足がすくむ。 ぽんっ と私の頭に手を置き、 「…大丈夫だよ」 と、いってくれた名前も知らないなんとかさん。 優しいな…。 「はぁー…。 ……お前、女の子悲しめて楽しいのか? ……寮の説明は1年前の入学式にあったし、…男女混合だともいってたろ」 「別に悲しめてねぇよ。 入学式は…寝てた」 銀さんも優しいのかな? 決まり悪そうに言うその様子は、怒られた犬みたいだ。