王子の魂 ―ワタシの想い―

リュウの声は震えた。

「でも、その時、俺は死ななかった。
その後、俺は仕事を理由に学校に行かなくなって開放された。
仕事もレンもジュンもいい奴で頑張れた。仕事が好きだった。
でも・・・、

アイドルになってから、嫌がらせが始まった。
ファンレターの中にカミソリが入ってたり、ロッカーにネズミの死体が入ってたり、家の塀に落書きされたり・・・
変なスキャンダルも流された。ただ女優とドラマで共演しただけなのに・・・。」

リュウのスキャンダルは私も聞いたことがある。全く信じてなかったが。

私はリュウの隣に座った。リュウがあまりに小さく、消えそうに見えたから。存在を確かめたかった。

「そん時・・・、いじめられてた時を思い出して・・・。また

死にたい・・・

そう思ったんだ。
だから、撮影終わったあと、メンバーやスタッフに内緒で抜け出して屋上に行って跳び降りたんだ。
でも、打ち所が悪かったんだか、良かったんだか、死に切れないで・・・・、こうなってしまったんだと思う。」

リュウの目から涙がボロボロと零れた。涙は床には落ちずに、零れる途中に消えていった。なんて・・・なんて儚い涙だろう・・・。

自殺・・・。私だって・・・