―――――――俺は毎日同じ夢を見た。
いつも寝てばかりいるのはその夢の続きが気になるからだ。
俺はどこだか分からない高いところにいる。
おそらく、よく使うスタジオのあるビルの屋上。そこまで高くはないが、俺の足元は夢の中でも竦んでいた。
下を見下ろすとひっそりとした狭い道。
俺はよく分からない感情がこみ上げてきて大きく息を吸う。
俺は女じゃない。
見せ物じゃない。
女をもてあそんでなんかいない。
一生懸命仕事をしているだけなのに・・・!
俺はそんな想いをかみ締めて、俺は空中に一歩踏み出す。
俺の夢はいつもそこで目が覚め、終わってしまう。
目が覚めるといつも全身に汗をかいていた。
ただ、俺は物に触れることができないので、汗も優子のベッドのシーツに付くことは無かった。
でも・・・
今日は最後まで―最期まで見てしまった。
踏み出してしまった俺は、予想通りそのまま落ちてしまう。
そう・・・
俺は・・・
「俺は自殺しようとしたんだ・・・」
「・・・え?リュウ?」
優子のか細い声が聞こえた。
