王子の魂 ―ワタシの想い―


私はテレビの中のアナウンサーを詰め寄るように見る。

<<事務所によると、疲労が原因で貧血を起こし、倒れたとき地面に頭を強く打ったもようです。スタジオの外だったため、コンクリートに頭を打ちつけ、意識を失ったようです。>>

私はゆっくりリュウの方を見た。
リュウは下を向いたまま、私のことを上目遣いで見た。

「そう・・・、なの?」

私はリュウを見つめる。
リュウは黙って首を「横に」振った。

「え・・?」

アナウンサーが続ける。

<<スタジオの裏道で倒れたため、人目にはつかなかったようで、裏口から出た撮影スタッフが気づいたそうです。>>

リュウはアナウンサーの告げた言葉にずっと首を振っている。

「違うの?」

私はリュウを見た。

「・・・テレビ、消せ。」
「ねえ、」
「消せ!」

リュウが私を睨む。私はテレビを消した。
テレビのスイッチを押したとき、プツリという音がしたような気がした。

「ちげえよ・・・。」

リュウは自分の前髪をクシャクシャと掴んだ。
テレビで見ていた、あの

カワイくて
天然で
女の子みたいな

リュウからは想像もつかないような表情だった。