王子の魂 ―ワタシの想い―

「友達」なら、「本当に」好きじゃなくても、仲良くやっていける気がする。
そんな考えが、私から雅紀への
今までの恩返しと
恋人としての別れ。

「『恋人』じゃなくても、『友達』としてなら、また仲良くやっていけると思うよ。
ダメ・・・かな?」

私は雅紀の目をまっすぐ見る。
雅紀は不思議そうな顔をしていたが、やがて

「そうだな・・・。ありがとう。よろしくな!」

と雅紀は曇っていた表情を晴れやかにし、はにかんだ。

雅紀が納得してくれて良かった。

私と雅紀は握手をする。そして、学校へ向かった。

「おはよ。」

学校に着くと、校門の前で琴美が待っていた。

「さっき見たからずっと待ってたのに、雅紀くんとイチャイチャしやがって。」

琴美は肘で私のことをつつく。

「違うよ。私たち別れたんだよ。」
「はあ!?いつの間に!?てか、あんな仲良さそうにしてて?」

私はフフンと得意げに笑った。

「それは『友達』としてだよ。ね。」

私は雅紀に微笑んだ。
雅紀も黙って微笑んだ。

「ふーん。変なの。」

琴美は口を尖らせてそう呟いた。

空はいつの間にか、私の気持ちとぴったりになっていた。