王子の魂 ―ワタシの想い―

リュウが昼寝から目覚めたころには、私は夕食を済ませ、風呂から上がっていた。

「お、風呂上り?」
「うん。」

私が風呂から部屋に戻ってくるとリュウはまずそう言った。

「あー、ちょっとそこ座って。」

リュウは私をベッドに招いた。

ベッドって・・・
まさか・・・!?

・・・とかいう無駄な妄想はやめた。

私は黙って、ベッドの縁に腰掛けた。

すると・・・

リュウは私の髪に顔をうずめた。

「え!?何!?」
「う~ん、いい匂い。」

リュウは顔を離すとニカッと笑う。

「俺、女の子の風呂上りのシャンプーの匂い好きなんだよね。」

その時、リュウが少し遠くて、寂しそうな目をしたのを私は見た・・・



「じゃ、おやすみ~」
「え?また寝るの??」
「いつもは仕事だったから寝れるときは寝るようにしてんの。」

リュウはそう言うと、床に寝転がってすぐに寝息をたて始めた。

リュウの寝顔は、例え魂でも、リュウの存在を物語っていた・・・