王子の魂 ―ワタシの想い―

夢みたい・・・。
ていうか、夢・・・?

私はこっそり自分の腕をつねった。

痛い・・・!

夢じゃない・・・。

どうして?
どうしてリュウが私の部屋にいるの?

私は必死で心を落ち着かせる。

「なんで、私の部屋にいるの・・・?」
「それが、俺にもよく分からなくてさ・・・。気が付いたらここにいた。」

リュウが話を続ける。

「撮影して・・・、楽屋に戻って・・・、そこからなんも覚えてなくて気づいたらここにいた。」

リュウは前髪をかきあげた。

そんなリュウのひとつひとつの仕草にドキッとしてしまう。

私の大好きなそのリュウの大きな瞳が、キラキラ輝いて・・・

あまり見つめるとクラクラして倒れてしまいそうで、私は少し目をそらした。


その時、

「何悲鳴あげてるの~?何かあったの!?」

そんなお母さんの声が聞こえた。
私の部屋は2階。階段を登る足音が聞こえてきた。

マズイ・・・。
これはマズイ・・・!