王子の魂 ―ワタシの想い―

私は驚きのあまり後ずさって、リュウのポスターに背中を打ちつけた。
おかげで今まで傷1つ付けずに大事にしてきたポスターに大きなしわが付いてしまった。

「君・・・、俺が見えるの?」

「見えるも何も・・・、リュ、リュウ・・・!?」

思わず声が震える。

私の部屋にリュウがいる・・・!
あのリュウが目の前にいる・・・!

「ここって・・・、君の部屋だよね?」

リュウがおどおどしながら話だした。

「俺が見えるんだね?・・・よかったあ・・・。」

リュウは訳の分からないことを呟いている。

なにこれ?
ドッキリ?
隠しカメラあんの??

私の脳内は完璧パニック状態になった。

「リュ、リュウだよ・・・ね?」
「そうだよ、君は?」

リュウが少し笑った。
あのポスターと同じ笑顔で。

「わ、私は・・・島田優子・・・。」

ドキドキする。しないはずがない。
テレビでしか見れなかったあのリュウが目の前にいるのだ。
近くで見るリュウはテレビで見るより、100倍・・・、いや1000倍はカッコイイ。

リュウが話す。
「優子か・・・、俺のファンだよね?こんなにポスターとかグッズあるし。」

私は首を縦に振った。

「ありがとな。」

リュウの髪がふわりと揺れる。
窓も開けていないのに、春のような心地よい風が部屋に吹く。