「ちょっと・・! 

やめて、馴れ馴れしい!」


「なんだ、ここの店の女は

肩も抱かせないのか?」


「云うたらあんたは

"いちげんさん"や。

おとなしく呑んでたら?」



エロ医者が・・。

キャバクラに行け!

触り賃、

料金倍にしとくでホンマに。



「ナギコさん・・。」



・・・助け舟!

黒服が指名が入ったと耳打ち。

空かさず他のコ達と交代。


克哉は文句も云わず


「あぁ、じゃあな」


・・・拍子抜けする位ヤケに

アッサリと会計を済まして

直ぐに帰って行ったのである。


そんなブキミな事もあり

その日の仕事終わりには

黒服の男の子が車で

送ってくれる事になったのだ。



「ここで待ってて下さいね。」

「うん」



表通りで時計を見ながら、

通りに車が寄せられたので

そちらに歩いてく。

へー、

結構いい車に乗ってるんや?



「ありがとー」



中から開けられた助手席のドア。

頭を下げて乗ろうとした。



「!?」



嗅ぎ慣れたローションにはっと

なり、運転手の顔を見た瞬間。




「や・・・・っ!」



あたしは腕を掴まれ

それこそ引き摺り込まれたのだ。



「いやぁ・・っ!」



悲鳴なんか、夜の喧騒の中へ

消えて無くなってしまった____