少なくとも

今まで彼のオンナと云われた

女達は少なからず皆、

神経質になったりしたものだ。


自分だけなら

無視もしてきただろう。

だが耐えられなくなる女も

少なくなかった。


なのに、ナギときたら。



「なー、あの女の人、

神足さんの声が好きやねんて。

ちょっと嬉しいわぁ・・。」



などと、呑気にも笑ってる。




「ふぅ・・・ナギ。」

「・・どうしたん?・・わっ!」




また抱き締めた彼に逆に驚く。



( 俺は"最高の相棒"を

見つけたのかもしれない。)



何とも云えず

愛おし過ぎて・・つい堪らずに。





ピーンポー・・ン。



そう、誰かが

チャイムを鳴らすまで・・。



「どちら様?」

『・・・・・ですが。』

「もしもし?」



訝しげに

眉を顰め、和祇は首を捻る。

早口で聞き取れなかったが、

男の声なので

神足が彼女を止めた。



「俺が出るよ。」



インターホンのカメラに近づき

過ぎてて、誰だか顔が見えない。

仕方なく

チェーンを掛けたままドアをあけた。