Quiet man

「え? だったら

ルーム・シェアすれば?」



キッチンのカウンターテーブルで

チューチュー、

シェイクを啜りながら

ケロリと小田は言う。



「ちゃんとルールとか決めてさ、

案外いいと思うよ?」



( 空いてる部屋は

六畳が一室か・・。)



その隣で

与えられたシェイクを同じ様に

啜ってるナギの方を見た神足。



「ベッドだけ

って広さになるけど?」


「な、ちょっと急じゃない?」

「だね。」



神足の心配、

それは元・ダンナの強引さ。

朝子と別れてでも、

ナギと復縁したいと思ってる。


病院まで調べて来たんだ、

その内、家にまで押し掛けて

来るんじゃないかと心配で。



( そうしたら彼女は・・? )



そんな事を考え出したら

堪らなくなるのだ。



「・・だけど、

本当に早い方がいいよ。」


「荷物だけでも

先に運んじゃえば?」


「カンタンに云うなァ・・

うーん・・。」



ナギの飲み終わった

シェイクの紙カップ、

食べ終わった

フィッシュ・バーガーの包みを

クシャと袋に

押し込みながら小田は訊ねた。



「んな、荷物ないんでしょ?」

「まあ、家具は備え付けやし?

まだ荷解きしてない

箱もあるけど・・。」



ナギが見ていない所で

男2人は目を合わせ

二度頷くと同時に立ち上がる。



「「 じゃ、キマリだ。」」


「ええっ、早っ! 

ま、待って・・・。」



彼女が戸惑っている間に

片方ずつ取った手を

引き上げて立たせるのだった。