そして部屋に戻って来ると、

コンビニで買って来たらしい

サンドイッチが。



「どれが好き?」

「ハムと卵とチーズ。」



朝ご飯をこんな風に

誰かと食べたのは

いったい何時だったろう・・。



「ナギ?」

「ん?」


「暫くウチに

帰らない方がよくない?」



多分、昨日

ママから聞いたのだろう。

復縁の話・・

それに加えて

朝子の事も彼は知っている。


確かにまた彼女が来れば

ゴタゴタに巻き込まれるかも。



「でも、あたしが居なかったら」


「もう傷ついて欲しくない」


「えっ。」









彼女の言葉を遮り、

俯き加減だった顔を上げた神足は。



「もう笑っているべきだ。」



"和祇は危いぐらいに

優し過ぎるんだ"・・と。

切実に思うし心配もする。



また悪い夢に魘されて

泣きじゃくる

彼女を誰が見たいものか。



彼はそう思い、

真っ直ぐ和祇を見つめた。



「ナギはもう泣かなくて

いいんだと・・俺は思うよ。」



決別した筈のあの2人に

なぜ今更、振り回されなきゃ

いけないんだ?


奴らは勝手にモメてりゃいい。

なぜ彼女をそっとしといて

やらないのだろう・・・。