彼女は手の甲で涙を拭うと

鼻をグズらせながら

上体をゆっくり起した。



「・・大丈夫?」

「うん」



神足は

ちゃんとパジャマを着ており、

ベッドから出て

彼女にイオン水を取ってきた。



「気分悪い?」



泣いてるのを

指摘したらしい。

彼女は首を頼りなく横に振る。



「夢を・・みた、から」



ほっとした様な表情で

和祇の顔を覗き込むと

彼はベッドを指差した。



「隣で眠る許可を貰いたい」



ぽかんとした後、

元々、彼のベッドなのだから

当然かと思い

神足を奥へ通らせた。


「灯り、着けててもいいよ。」


「でも・・

寝られへんやろ・・?」



そう云うとコップを置き、

電気を消した。

彼に背を向けた状態で

部屋を眺める。


暗さに目が慣れ、

いろんな物が見え始めてた。


彼らしい部屋・・

無造作に立て掛けられたギター、

凄い数の本が納まった本棚・・。

洗練されたイスが

ポツンとあったり。