腹ませた朝子をちゃんと

面倒を見るのが

男して当たり前だとは思う。


・・ただ、何でも金だけで

解決しようとするこの男である。


例え一緒に暮らしたとて、

彼女が幸せになる確立は

かなり低い。


大概の事なら何でも言い合える、

このあたしとでさえも・・

こんな結末を迎えた。



「ご馳走様。・・もぅ帰るな?」

「あぁ・・。」



そう切り出すのが辛く感じる程、

じっとあたしを見ていた顔には

愁いが滲んでた。


食事を終え、

ホテルの外へ向って歩いた。

タクシーまで見送ると・・

彼が言うのだ。


常駐してるタクシーは

立っていれば直ぐ来る。

もうドアを開けて

待って居てくれていた。



「じゃ・・、元気で。」

「和祇・・・?」

「え? ・・ンッ・・!」



何を血迷ったか、

振り向きザマの口付け。

・・こんな事

する人じゃなかった。




( なんでそんな事・・するん?)