夕べ、帰って来て

また呑み過ぎた様だ。

大きな息を肩を使って

吐き出しながら、顔を両手で覆う。



「ブルースだった」



独り言を呟き、

ベッドから這い出した。

立て掛けてあるギターを取り、

書き物をしながら音を辿っていく。

これも一種の職業病ではある。



( 帰った後・・泣かせたのかな )



その作業も程ほどに

熱い目のシャワーを浴びて

体を覚醒させる。

髪を塗らすと夕べ彼女から借りた

リンスの香りがした。


最初に思い出すのはいつも、

あの大きな鳶色の瞳だった。


なのに今は

震えた唇しか・・思い出せない。


神足の後悔は

とうとう夢にまで現れた。

まったく

大人ゲ無かったと思いもした。


良く考えたら

それだけ彼女はマトモだって事だ。


辛い目にに合ったなら

男は当分コリゴリだと思うのが

普通じゃないか・・?



気持ちを押し売って

拒否られたからって・・。





( 俺は最高にバカヤロウだ )