Quiet man

それだけで彼女が今まで、

どんな生き方をしてきたのかと

想像するのは早計か。



「ふふ。

人間ウォッチングが好きなん?」



気が着けば、彼女が頬杖を着いて

自分をジッと

見ているのに少し慌てた。

神足のそれを察したか、

クスと笑う。



「知りたいと思うから。」

「・・・あたしを?」

「そういうの、ない?」



彼女は一口酒を流し入れ、

困った様な笑いを神足に向けた。



「ないなー。自分の事だけで

イッパイ・イッパイ・・それに

あたし、精神的"引篭もり"やし。」



ケロリと

云いのけるあたりさすがだ。

男の真剣さをかわす術は心得ている。

だが、俺は客じゃない。

神足は思うのだ。



「・・・それじゃ、

どんな男も逃げるね。」



傷つかないと思ってた

彼女の唇が震えているのを見た。




「・・・・・・うん。」