Quiet man

なのに、

メールでここぞとばかり

彼に白状したのは

もしママの云う通りだとして

彼にそんな気があるのなら・・

気を持たせるのは嫌だった。


ママは

"客を掴む"事を考えている。

あたしはホステス失格かも

しれないが、"常連"になど

彼になって欲しいとは思わない。




( これでスッキリした。

もうええやん・・。)




ププルッ。



「 !? 」



ちょっと重たくなったであろう

告白に、途切れたかと

思われたメールがまた入った。



『 なら俺は、出会いをくれた

馬鹿なダンナに感謝しよう。

そろそろ

ツマミの用意はできたかい? 』



ええ? まさか・・!?



この前降ろして貰った場所は

窓から見えた。

車のライトがチカっと

煌いているそこには。


高々とバーボンを掲げ上げた

咥え煙草の男。


あたしを見つけ、

誇らしげにニヤリと笑ってる。


片手で

バーボンのボトルを指差したり

手を振ったり。



「ふ・・、もおっ・・。」



つい手を振り返した後、

弾き飛ぶかに部屋を出た。



まったく・・敵わない。