大安吉日のある日。



「えー本日は

お日柄も良く・・。」



___ 元・同じバンドで、

相方で、親友でもある

神足くん(32)が

和祇さん(22)と


秋の晴天、

軽井沢のペンションで

少し遅れた結婚式を挙げた。


彼が、選びに選んだ

ちょいミニでフェミニンな

ウェディング・ドレスを着た

花嫁の超・カワイイこと。




「おー、ナギちゃんったら

すげえキレーだぞ!」


「ねー、ヨォ、

ルウもアレ着タイー」


「そーだなー。ルウ、まず

オッパイが育たないとな。」


「ムッ。」




もちろん貸切だった為、

飲めや歌えや、

弾いちゃえや、な

仲間内だけのロックな結婚式。


ウェディング・マーチも全て

友人ロッカー達による生演奏。




「俺もこんな式だったら

やりたいなー。」


「ほんト?ヨォもやりタイ?」



その呟きに

俺の腕を揺らすルウ。


こう云ったのを後悔したのは

花嫁、ナギちゃんによる

ブーケ投げの時である。

ぱああっ、と投げられた瞬間




「ぎゃぁああぁっ」



あの後姿は・・ルウ?



「「「「「 !! 」」」」」




・・・・数少ない

まだ独身の女の子達に


膝裏カックンや

逆ラリアート食らわせてまで

ブーケを奪って来るなんて

いったい誰が想像しただろう。




「ヨォ! ルウがモらた!!」




ルウ・・、嬉しそうだ。


皆、アゴ外した様な顔で

俺の元にやって来ようとする

お前を見てるよ。


そうだね、俺が確認する限り

新郎新婦でさえ慄いてるさ。


走って転んだら危ないぞ。

それ笑ってるんだよ・・ね?



でもな、ルウ・・、

空気読め。



お前の後ろ、

流血騒ぎになってるから。





ごめんよ、神足夫妻。





By 君らの良き友人、

小田ヨウジロウ with love