Quiet man

胎盤は以外とスンナリ出てきて

10分後、また"カンガルーケア"。


体重3105gの男の子は

ナギの胸の中、裸のまま抱かれ

て安心しきっているかに見える。



「詩音・・落ち着いたね。」

「ふふ、ウン。」

「鼻筋は良幸似かしら。」



母児同室の部屋、分娩室から

三時間経っていた。ナギも疲れ

ている筈なのに眠ろうともせず。



「大変だったらしいわよ。」



・・母が後で聞いた話だったが

あの時、

首に巻いたへその緒がなかなか

取れなくて、長かったのをいい

事に、中でグルリと回転させて

巻きを取っていたらしい。


それならそうと

ちゃんと解説して欲しかった。

そんな暇も無かっただろうけど。



「じゃ、また明日来るわね。

詩音ちゃーん、

また来るでちゅよー♪」



もみじみたいな手を握ってから

"ばぁば"は帰って行った。


ベッド脇に座り、やっと全ての

安堵の溜息を吐き出し肩を抱く。



「かわいいな。」

「ほんまに・・。」



2人して、ずっと彼女の心音を

聞いているかに張り付いてる

詩音をだだひたすら眺めてた。

本当に疲れなんて吹き飛んだ。



「ほんとに・・有難う。」

「詩音が見てる・・ン・・。」



長いキスの途中で部屋をノック

する者がいた。こっそり入って

来たのはあの熱心な写真家だ。


・・そう、今日の

この日を撮らないでどうする?