帰りの新幹線、

俺はその席でお前の幻を見てた。

何がカリスマだ

女々しいもんだ _____




腰を降ろし、目を反らすかに

窓の方に視線を流してる。



時間が癒してくれる、

或いは他の、新しい女か・・。


・・・・・いいや、俺の中じゃ

もうとっぷり時間も費やしたし


俺達の破局を瞳の奥で喜んで

色目を使ってくる女もいたが。


つまんない事でフッとお前の

事を思い出すんだ。それは、

スタッフが買って来たタコ焼き

だったり、楽屋で食べるうどん

だったりさ・・? 赤面した顔や

笑った顔が、イヤにまた鮮明で。


・・・・おかしいな。


そう云えば、

ヨウちゃんのリクエストで家で

たこ焼き焼いてくれたよな?

美味い美味いって食ってたら、


『大阪の女はコレが焼かれへん

かったら嫁には出して貰えへん

ねんで。知っとった・・?』


信じてた俺は他所で迂闊にも

関西人にそれを云って

大笑いされたんだ。


・・・憶えてろよ。


そうだ、あの時撮った写真でさ、

ヨウちゃんとこのルウが、随分

お前の事、気に入ってたみたい。


彼女、不思議娘なんだ。

ヒト目、見ただけで、

ナツク、嫌う、シカトする。

極端なんだよな。



『今度4人でどっか行こうよ』



ヨウちゃんが呑んでた時に

そうやって話してくれてたんだ。


ツマンナイ事になっちまった、

あの前日の夜にさ・・。