目覚めた時・・

既にナギの姿は無かった。


ヨウジロウにも挨拶しないで。

彼女は何処かへ去ってしまった。


残ったのは

歯ブラシと赤い花の鉢植えだけ。



なあ?



幸せだって思えたのは

何時が最後だったろう・・?



ナギはどう・・?



後で

そんな風に考えなかった?

俺はお前が去って直ぐ考えたよ。



男ってダメだな ____



心が折れちまって

"体調不良"だってさ・・。



あの夜、お前に宥められて

眠るんじゃなかったよ。


ムリにでもベッドに引き摺り

込んでりゃ良かったのかもな。



俺の印をいっぱい付けて、

クタクタになるまで愛し合って


体温や・・声を、忘れない様に

抱いて眠っていりゃあ・・。


いつもと同じ朝が迎えられたん

じゃないかって・・さ。



でもまあ・・

そんな事思ってみても

アトの祭りだろ?


とりあえず、仕事でも始めるさ。



俺は大丈夫だ。