そんな事より、俺は

とうとう降り出したらしい雨の

音が気になっていた。


そう、ベランダにある

ナギが大事にしてた

ミニガーベラの鉢植えの事だ。



「美津子、もう・・帰___ !」



パチン!


その時、灯りが着いた。



「・・・・!」



壁のスイッチに手をやったまま

固まってるナギが ___

そこに立っていた。



________ 終わったな。



俺の上で呆然とする美津子の

ブラの胸をまだ掴んでた所だ。



俺はやっぱり動けなくて、

雨の中、飛び出してった彼女を

追うことも出来なかったんだ。



「・・・美津子、帰れ。

ここへは二度と来るな。今、

俺が救急車を呼べばお前は

立派な犯罪者になる・・!」


「具合悪いの・・?」


「体質に合わないだけだ、

とっとと帰ってくれ・・。」



今頃気付いた、

さっきの麦茶の底の甘み。


俺もまだまだ青いな、

一服盛られるなんてさ・・。



バタン・・!



やっと帰りやがったか。

くそ・・酒のせいで

効きが凄いんだ・・。



今頃になって・・

もう・・・ダメだ・・。


ナギ・・、ゴメン・・。