幽霊の存在すら

信じない彼女が・・?


俺はふと"サワムラ・イット"

残されていた名刺を手にした。


ホストか。

成程イケメンだった。


偶然通り掛かって助け、

怪我をして・・

この家に上がり込んでた。

そりゃ

隣のハルミも一緒だっだが・・。


恩人であるのに、疑るなんて

俺も相当に嫉妬深い。

しかしナギがあんな影響を

受ける事なんてそうそう

ある事じゃなかったんだ・・。



だから一応この時、俺は

ヨウちゃんと同じ意見だったけど

彼女の気が済むなら

そうしてやろうと・・

思ったんだ。


ひょっとしたらナギは自分でも

知らず知らずのウチに・・

俺との付き合いの中で起きた

色んな事に疲れているのかも

しれない。


俺はそう思うと何だか

言いようもない不安に駆られた。


俺は彼女を守ってやらなきゃ

いけないのに・・

怒らせて1人で帰らせちまった。

そんな事もあるし・・。



"肝心な時、いつも貴方は

居ないじゃない・・!!"



大昔の女に

泣きながら云われたそんな

台詞がまだ少し・・トラウマに

なって残ってるせいか。