あの日の朝方・・



目覚めて目が合った瞬間から

あたしは奪われ続けてた。

それは今までの神足とは

ゼンゼン・・違った。



上り詰める・・その本当の意味、

あの

"スロウ・セックス"だった。



今までの彼との行為でも、

あたしは十二分に満足して

いたと云うのに。


恐いとさえ思った。

本当の愛され方を教えられて・・。




あたしは・・

カトリック系病院付属の

看護学校で学び、

男と云うものを知らずに

克哉と付き合い、

そして結婚した。



世間の同い年の

女の子からしたら、

時代錯誤なのかもしれない。


だが、あたしはそれに

疑問を抱いた事すらなかった。


何か違うと感じたのは

結婚してからだった。


同じ看護学校の親友でもあった

朝子が、

克哉に恋をしていたのは

もちろん知っていた。


だから、

あたしに構う彼に冷たくもした。

けど、結局強引さに・・

負けてしまった。



結婚した後も、

親友を裏切った気持ちは

いつまでも残った。

だから・・

彼女との浮気にも諦めがあった。



ただ、彼女に

子供がデキたと言う理由で

克哉があたしから離れて行く・・、


そんな事実さえなければ

あまり

傷つかなかったのかもしれない。



克哉が本当に欲しかったのは

あたしとの子供だった


けれど神足は

"あたし"が欲しいと云った





"ウン"と答えたあたしは

微かに

枷の外れた音を聞いていた _____