神足の求めるまま、

唇を貪り取られ

腕の中に堕ち・・

胸板に押し付けられてる。



「・・・1人で悩むの、

    もう止めてくれ。」


「・・え?」


「子供が欲しいんじゃない、

ナギが欲しいだけだ・・。」




・・何よそれ、

紛らわしい・・。


あたしは腕の中、脱力していた。

口下手にも程がある。

でもって、ポロポロと

まだ出るかってくらい

涙が後から後から出る始末。


正直、恋愛とかで

こんなにチカラ入れた事は

なかったから・・妙に疲れた。



「解ったから、

・・・何でもあげるから、

もう寝よ、横になりたい・・。」



酔ってたせいかもしれない、

体が熱い。

彼は黙って横抱きにすると

ベッドに横たわらせる。



「怒ってたんとちゃうん?」

「少し・・ね。」

「あたしの悩みって・・?」

「この次は・・俺に相談して。」

「・・・?」



悔しいけど、

ベッドで引き寄せられて

酷く心地いい声、

酷く心地いい体温・・


筋張った

その優しい手が習慣みたいに

体に絡み着くと素直になれる。


何で? あたしが悪いのに・・

優しくなんてしたらあかん。



「神足さん、ごめん・・。」



それだけ云えたと思う。





・・・彼は違う、

トラウマを

克服せなあかんのはあたし・・。

そしたらちゃんと

「はい」って云える。


ああ、もう限界、

もう・・眠い・・。