Quiet man

ベッドに入る時も決して

眼帯を外そうとはしなかった。



( 俺は・・どうやったら

お前を守れるんだろうな。)



「ベーコンぱりぱりやん。

オイシーねんけど・・。」



今、ナギは

フォークになかなか刺さらない

皿の上のベーコンと闘ってた。


「こうしたら?」


それを一枚奪って手で食べたら

笑ってマネた。

無邪気なもんだった、

俺に気を使ってか、スなのか。


確かなのは本人はもう・・

忘れようとしてるんだ。

俺も連れ出したからには

今はあまり

考えない様にしないと・・。



「神足さん?」

「・・なに?」


「夕べ・・あんなに動いといて、

お腹減らへんのん?」


「プッ、・・・バカ。」



考え事してたらつい

彼女の顔を見つめ過ぎ、

食事の手が止まっていたらしい。


真面目な顔で口を開くから、

予想もしない一言に油断して

吹き出してしまった。



本当は

云ってやりたかったけど?


"ナギが悪いんだ" ____って。






「あ・・後、見て」

「え____ 、うわあ・・・。」




彼女の後の通路側に

ウェディング・ドレスの

女の人がテレながら

エスコートされて行ってる。


足元に気をつけながら、

ゆっくりと。