もっと慎重になって貰わないと。


まだ片目が良く見えてない

彼女を庇うかに

ずっと

肩を抱いていた俺と目が合う。


見る見る顔が赤くなる女、

恥じらいなどである訳がない。



「行こう、神足さん。」



俺を心配したナギが腕の中、

見上げて言う。


その目には彼女の訴えが見えた。



"相手にしたらアカン"



・・そうだ、

何も言うべきではない。


俺達は止まった足をまた進め、

あの女を素通りしたのだ。



「フフ。」



"それでええんよ。"



平和を愛する女には敵わない。



"そうだな。"



見上げる彼女と笑みを交わし、

素早く

頭にキスを落としてやった。



「Goddyさん! ちょっとお話を!」



一緒に出てきた所を

どう嗅ぎつけたか

何処かのカメラマンに激写され、

テレビ局のリポーターにも

囲まれそうになった。



こーゆーのに俺は

まったく慣れていないのである。


どう車まで歩いて行こうか

一瞬悩んだぐらいだった。