(妊娠させるつもり・・!?)


その一言にゾッとした身震いも

手伝って、何の迷いも無く

一瞬であたしはそれの

スイッチを入れた。



「ぐあぁっっ!!」



ミニ・スタンガンに怯んだ彼を

押し退け、

バッグを手に車を飛び出した。


捕まえようと伸びた足・・

ヤバイ!


「イだっ・・!」



咄嗟に

ドアを蹴ると挟まった足へ、

悲鳴を上げるのも構わず

もう一度電撃を食らわせた。



「ナめんな、あほんだらっ!」



神足さんには

決して聞かれたくない怒声。


そして

ヒールを脱いで痛みなんか

解らず、必死に走り出した。


息を切らしてやっと

民家のある所まで辿り着き、

ホッとしたと同時に力が抜けた。


急に足がガクガク震え出す・・。


もつれる足でコートの端を

鷲掴みに合わせ寄せ、

コンビニの灯りの前に

ぺしゃりと座り込んでしまった。


「大丈夫ですかっ・・!?」


気が着くと高校生の男の子達が

座り込んだ

あたしの肩を揺らしてた。


ぼんやり

覗き込まれる顔を見上げ、

一度だけ

コクリと頷いてたと思う。