「何だ、アイツら…。」
「俺らの連携プレーより上…だと?」
その後もこうちゃん達の連携プレーは続いた。
パス連携が相沢兄弟達より早く
追い付くのが精一杯の様だった。
そして相沢兄弟達は早くもばててきた。
息切れが激しくなりフラフラしてる部員もいた。
こんな暑い中、モワモワしてる体育館で
試合だなんて。体力がない私には
とても辛いことなんだなぁ。
こうちゃん…頑張って!!
こうちゃん達はあっという間に
達波高校の点数より上になり
順調に試合が進んだ。そして、
後半試合が終わるベルが鳴ると
こうちゃん達が輪になって喜び合った。
「負けた…俺ら相沢兄弟が…」
その場に座り込む相沢兄弟。
それに駆け寄ってくる達波高校の部員たち。
「すいません!!俺らが弱いばかりに…っ」
次々と相沢兄弟に誤る部員たち。
それを遠くから見つめていたこうちゃんと中川先輩が
近付いて達波高校の部員たちの前に立ち尽くす。
「なんだよ、お前。嫌みにでも言いに来たのか?」
相沢兄弟の弟、悠介がそっぽを向く。
「そうかもな。」
「てめー!!!」
こうちゃんの呟きに立ち上がる啓介。
それに対してこうちゃんは。
「お前らは一番大事なチームワークがねぇ。」
その言葉に相沢兄弟が黙り込む。
こうちゃんは続けて言う。
「部員がお前ら兄弟に頼りすぎてんだな。まぁ、俺らはチームワークだけが頼りだけどな!!」
わははと笑うこうちゃんに
達波高校は頭を下に向ける。
「次は勝てよ?楽しみにしてるからよ」
こうちゃんの言葉に達波高校の部員たちが
こうちゃんと中川先輩を見る。
「お前らは伸びるよ、たぶん。俺らの次になっ」
ゲラゲラ笑いながらこうちゃんと中川先輩は
去っていく。相沢兄弟は目を合わせ
「なんか、むかつく。」
「次は負けねぇ。」
こうちゃんたちの後ろ姿を見つめる相沢兄弟。
すると、中川先輩がこうちゃんに呟く。
「来年…卒業してる」
「ん?知ってるよ、だから。」
中川先輩の耳元でささやくこうちゃん。
〔来年はこいつらが俺らの代わりに闘うんだよ〕
こうちゃんと中川先輩の前には
瀬川高校の自分たちの部員がいた。
「そうだな、光汰。」
笑う中川先輩。

