「へぇ、先生方までちゃんとドレスアップしてるなんて、感心だわ」



「もちろんよ!先生方も結構楽しみにしているのよ!」



そんな会話を楽しんでいた時、視界の端に映った彼



「草凪君ね?」



「えっ!?」



莉子はくすりと笑ってわかりやすいと言った



「話しかけてくれば?喜ぶと思うわよ?」



「い、いいの!話すこともないしね!」



と話していれば、惺來と莉子の周りに人が集まり始めた



ダンスを申し込んでくる人もいれば、文化祭期間中の話をしてくる人・・・



色んな人に話しかけられ、惺來はどうしていいかわからず口篭ってしまう



すると・・・



「悪い、ちょっと通してくれ」



はっとして俯いていた顔を上げた



人を掻き分けて目の前にやってきたのはそう、



隼人だった「お困りかな、お嬢さん?」



そう言って惺來の手を取る



「踊っていただけますか?」



少し意地悪そうな顔でこちらを見る隼人に



少しの腹立たしさと、胸のざわつきを感じた



惺來は頬をほんのり染め、こくりと頷いた



連れ去る隼人と連れ去られる惺來



周りにいた者はその光景を黙って、



ただ呆然と眺めることしかできなかった