ネコ彼。(完)

 

姉貴のことも、2週間どこにいたのかも、全部話した。


信じてほしい、と祈りながら。


みちるは『信じたいから、言葉が欲しい』と言った。


やっぱり…そうだよな。


でも、オレもお前の言葉を聞きたいんだ。


本音は、みちるのことを何でも知りたい気持ちでいっぱいだ。


オレたちの間には、あまりにも言葉が少なすぎるのかもしれない。


――お互い様だよな?


そう思った時だった。


「私は…哲平のことが好き」


1年ぶりに聞けた言葉だった。


嬉しくて嬉しくて、その気持ちを隠すのに必死だった。