涙の理由を、君は知らない


振り返ると、少し背の低い、可愛い系の男の子が、私と彼を不思議そうに見ていた。

どうやら彼の友達らしい。

夏の図書館といい、彼の友達とよく遭遇する。


その友人は、私達のテーブルに向かって来て、彼に

「……誰? 高野?」


と聞いた。高野というのは、彼の行ってた英語の塾の名前。


「いや、高野ではない」

「じゃあ誰?」

「……友達?」


と、首を傾げながら彼が言う。

なんですか今の間と疑問符。


とりあえず、気まずいので、お友達に会釈。すぐに会釈を返してくれた。
…たぶん良い人だこの人。


それからその友達は、別の場所に席を探しに行った。


「いつもはうちの学校の奴いねーのになぁー」

なんて呟く彼。
疑問符付きで、しかも『友達』とはいえ、彼の友達に紹介してくれて、ちょっと嬉しかった。

もし私が紹介したくないような女だったら、わざわざ友達に声掛けたりしないもんね。

ちょっとは、自信もってもいいのかな。



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