涙の理由を、君は知らない


仮に、私と気持ちが同じだったとして、遠距離になるから、優しさから敢えて言わないでいるのだとしたら、私を苦しめないでいようとしてくれているのだとしたら、これ以上の仕打ちはない。



私は、君の為だったら、いくらでも苦しむのに。



もし、私のことが好きじゃないのに、突き放せずにここまで来たとしたら、きっと、それも、君が優しいからで。





その、君の優しさが、憎い。



好きと言う勇気がない自分は、もっと憎い。



例え、君に年に数回しか逢えなくなってもいいの。寂しくてもいいの。

そんなことより、君が他の女の子に愛を囁くようになってしまうことの方が、私には辛い。


そうなったとしても、今の私には、何も言う権利はない。



「――っ、」



ふいに、涙が、零れた。



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