涙の理由を、君は知らない


飲み物が無くなって手持ち無沙汰そうな彼の手に触れる。
私も彼も手が冷たいから、なんにもあったかくはならないんだけど。

空のペットボトルは、さっき時刻表を改めて見に行ったときに、自転車のカゴに入れてきたようだった。
私はまだミルクティーを飲み終わってない。まだ、ほんのりとだけ温かい。


彼の肩に頭を寄せながら手を重ねる。


「……うわ、もしかして全部第一関節に到達してないよな?」


「え、あ、ホントだ……」


彼の手と重ねた私の手は、親指以外彼の指の第一関節に全く到達していなかった。


「ちっちぇー」


彼が、楽しそうに笑う。

私が小さいんじゃなくて、君が大きいんだと思うけど。

彼の小指を握ると、四本の指がすっぽりとおさまる。むしろ、彼の小指が余る。


「なんか、もはや悲しいんだけど」


と私が笑いながら言うと、彼も笑う。

本当に、私がもうちょっと背が高くて、すらっとして、指も細長ければ、彼と並んだときもバランスがいいのに。

きっと、彼にはそういう女の子の方が似合う。


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