涙の理由を、君は知らない


一通りお店を周り、1階まで降りた時、彼に言う。


「……嫌な予感しかしないんだけど」


彼、苦笑い。


「……………帰りのバス乗り場わかんない」



私、苦笑い。



「もおー、そんなことだろーとおもったぁー」


ガックリと肩を落とす彼。

彼に逢えることで頭がいっぱいで、ターミナルが整備されたあとに変更されていたバス乗り場を確認するのを忘れていた。


「すいませんホント」

「しょーがないから一緒に乗り場探してやるよ」


ため息混じりに彼が言う。


「ありがとぉー」


でも、どこかで、君ならそう言って下さる気がしていました。

そのまま外に出て、とりあえず彼の自転車を取りに向かう。


「なんか、いろいろごめんね」


本当に、逢う度逢う度、何かしら迷惑を掛けている気がする。


「いや、呼び出したの俺だし構わんよ」


彼は不快さなんて微塵も見せずに、そう返す。

多分、最初に逢いたいって言ったのは、私なんだけどね。



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