涙の理由を、君は知らない


「……うん、そーゆーの『萌えー』って言ってくれる男も多分いるから」


ぽん、と励ますように私の肩に手を置いた。

なにこの屈辱感……。

何がどう『萌え』なのかよくわかんないし。

ていうか、他の男じゃ意味ないんですけど。

なんか、遠回しに『俺はおまえに興味ない』って言われてるみたいで。


「はい、エスカレーター降りる」

「はぁい」


私がちょっと傷ついてることに、君はきっと気付いていない。







「てか、前もこんな感じあったよな」


最上階の大型雑貨店に着き、二人で店内を回っていると彼が言った。


「あれだよね、あなたの誕生日の時」


2年生の11月。彼の誕生日の日に二人で出掛けた時も、ここに来ていた。
あの時が二人で初めてちゃんと出掛けた時だった。

もう、一年以上前なんだ。
懐かしいね。

懐かしい、なんて思える程、君との想い出が出来ていたなんて。
幸せですね。



.