涙の理由を、君は知らない


「脱げ脱げー」

「それ、なんか危ない」


私の言葉に笑いつつ、脱いだ学生服を私の肩にのせる。学ランだけじゃなくて、カーディガンもばさばさとわたしに引っ掛ける。何枚着込んでるのあなた。

てか、あの、私、ハンガーじゃないんですが。

大きな彼の学生服は、私が着るとワンピース状態。なんか悔しい。


いつもの、彼のにおいがする。





上着をバッグの中にしまい込み、また学生服を着る。


「ご苦労」

「ワタクシ、ハンガーじゃないんですが」

「えっ?」


とぼける彼。もういいよ、と私は笑う。



.