涙の理由を、君は知らない


「……うー…」


反論出来ずにいると、彼は楽しそうに私の頭をわしゃわしゃした。

また馬鹿にされてる。うう、凄く悔しい。



「やめろー、はげるー」

「ハゲねーよ」



ぐちゃぐちゃにされた髪を直す。
エスカレーターが終わりに差し掛かって、今回は慎重に降りる。


「降りれたし。マジ余裕だし」


彼を見上げる。


「そこ別にドヤ顔するところじゃねーから」


彼はまた笑う。


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