-* 出会いは保健室 *-


「じゃあ、白倉さん。

先生、ちょっと職員室行ってくるから。

ベットで休んでいるのよ?」

「はぁい......。」

そもそも......。あたしなんで保健室いるんだっけ......。

ああ。体育の授業でボールが頭にぶつかったんだよね。

「痛い......。」

で、痛すぎるから。何この痛さ。ハンパないんですけど......。

あたしが頭をなでると、背後から見知らぬの声。

「ははっ、センパイって本当......、ドジっすねえ......。」

......は??

あたしは慌てて後ろを振り向く。

ちょ何、今こいつ、あたしのことドジって言った??

あたしは、2年の顔をにらみつける。

「ぶっ......、ははっ。センパイっておもしろいっすねぇ。ブッサイクな顔!」

何なのこいつ、あたしのこと前から知ってるみたいじゃんか......。

「じゃ、また会いましょうね。あ、俺りくって言います。

今度2年教室遊びにおいでよ。待ってるからさ。」

「は......。はぁ......??」

何?? 2年かよ......。年下かぁ。

あたし、年下興味ないし。そもそも男子とか嫌いなわけよ。

「2年教室なんて行くわけないでしょっ!!」

はあ......。

あ、やばっ、保健の先生......。

「はい、白倉さん。具合はどう?

頭......、まだ痛いかな?」

「あ......、もう大丈夫です。ありがとうございました。失礼します。」

ペコッと頭をさげ、あたしは保健室を出た。

あいつと会ったら痛みなんてどっか行っちゃったわ。

もう午後の授業も終わり。

「さようならーっ!!」

「バイバイ。まこと。また明日ね。」

「うん。澪、明日。」

はっあ......。

また......、明日ね......。りく......。

「ただいまー。」

「あ、おかえりまこと。」

母。

「おかえりんこ、まことちゃんー。」

妹。

「学校は楽しかったか??」

父。

「うん。楽しいよ。ははっ、ハッピースクール!!.....うん、ごめん。」

何このテンション。ああ.....。目の前をあいつがチラつく......。

何、あたし、年下フェチ??

何なの、この感じ......。

恋とかじゃないよねっ?? って、違うからね。

......、本当に恋なのかな......。

これが

あたしらの出会い......。大切な大切な物語の

1ページなんだ......。