初めて入る教室はすでに騒がしかった。
女子たちが楽しそうに話していたり、男子がプロレスをしていた。
男子って高校生になってもプロレスするんだ~。
森川ゆいは呑気にそんなことを思いながら自分の席に着いた。
教室は騒がしいのに、ゆいの席の周りの子達は
他の教室に行っていたり、まだ学校に来ていないようで
静かだった。
ヒマだけど、自分から友達作りに行くのもな~
ゆいは「う~ん・・・」と言いながら天井を見た。
そのとき、男子と目があった。
ヤバッ!変なとこ見られちゃった!
変人ってことバレる!
その男子は背が高くて、眼鏡をかけていて頭が良さそうな印象だった。
「ちょ、俺の顔何か付いてる?」
「えっ!?」
「いや、何かずっと俺の顔見てるからさ。」
「あっ!ごめんね!・・・すごい眼鏡が似合ってたもので、つい!」
ゆいは、パニックになって変なことを言ってしまった。
「眼鏡?まぁ・・・よくわかんないけどありがとう。」
これが私たちの出会いだった。