「澪っ!学校来てたんなら一言言えよな~っ」





夏休みを一週間後に控えている、ある高校。

休み時間なので、どこもガヤガヤと五月蝿い。



教室内はクーラーが効いていて涼しいはずなのに

ハンパない人口密度のおかげでむさ苦しい。



俺は、全開の窓のおかげで風通りがいい廊下の壁に

背中をあずけてしゃがみこみ、携帯をイジっていた。




「今来たとこ」





「何だ。そーだったのか」





俺の隣に腰を下ろしたのは、幼馴染の涼。



本当はメールすんのが面倒だっただけだけど。



そんなコト言ったらコイツはまた俺に文句を言ってくる。

...から、その言葉を飲み込む。





「お前最近、女切ってるってホント?」





「ホント」





携帯から涼に視線を移す。

涼は見るからに驚いていた。




てか、どっから仕入れたんだよその情報。