もう一度、横断歩道を見る。

相変わらず車の下敷きになっている。





「しゃーない」




踵を返し、歩道橋に向かう。





カンカンと音を鳴らしながら階段を上る。

雨のせいで濡れた階段は滑りやすい。

1段1段ゆっくりと上る。





階段を上りきって気がついた。
























誰かいる。























そりゃあ、当たり前のように俺以外にも歩道橋を使っている奴はたくさんいた。

多分俺みたく横断歩道が使えないからだろう。