「よくないわよっ!!あたし全然納得してないんだからっ!!」
キャンキャン吠える犬のように喋る女だな。
つか...知らねぇよ、んなこと。
お前が納得してようが、しまいが。
俺には関係ねぇっつーの。
「澪。それは流石にひでぇんぢゃねえの?」
涼はこっそりと耳打ちしてくる。
どうやら俺の考えていることが分かったようだ。
「...コイツ香水臭い。香水のつけ方知ってんの?」
「んなの俺知らねぇよ」
香水を頭から被ったんぢゃねぇの?ってくらい香水臭い。
頭がガンガンする。
「お前香水臭い。どっか行けよ」
「何ですって!!ふざけんぢゃないわよっ!!!」
ついに頭にきたらしい女は見るからに顔を赤くし怒りを表している。
そしてしゃがみこんでいる俺に向かって手が飛んでくる。
女が暴力振るってんぢゃねぇよ。
まじないから。
女の平手打ちを頭をずらして避ける。
そしたら隣にいた涼に直撃した。
「いってぇ~!!」
「え?あ!ゴメンっ!藍村君っ」
「...ふざけんじゃねえぞ、女!!!!!」
さっきまで俺とケバイ女の言い合いを黙ってみていた涼。
でもビンタされちゃあ黙ってねぇわな。
てか、涼。
お前の綺麗な顔が怖ぇコトになってるぢゃねえの。
相当頭にきてるな、これは。
