海坊主



「愛流」


お母さんは、綺麗だった。


「行こう、お母さん」



海里、今日は遅くなりそう。


メール入れておこう。



「彼氏?」


パッチリ二重の目を、輝かせながらお母さんは尋ねた。



「ううん、違うけど・・・大切な人」


「そっか」



お母さんと、洋服を買ったり、雑貨を買ったり。


「可愛いね」


お揃いの、携帯ストラップも買った。



夕方になり、日が暗くなってきた。


お母さんの行きつけのカフェに入った。



「ここの、カプチーノ最高よ」


いっぱい、お母さんと話をした。


大半は、お母さんの昔話。


お父さんのことも、いっぱい話した。



「お母さんが浮気しちゃったの。会社の人と、1回だけ・・・」


話してるお母さんの瞳には、今でもお父さんが浮かんでるのだろう。



「お母さん。あたし、幸せになる。そしたら、あたしの大切な人と、お母さんに会いに来ていい?」