―午前1時
ドアに「Closed」と書かれた札がかけられた。
「珍しく1時ぴったりに閉められたね。」
店のママが嬉しそうに言う。
「今日は私とチーフで片付けするから女の子みんな先帰っていいよ。」
その言葉に私を含めた女の子4人が「お疲れ様でした」と、タイムカードを押して更衣室に入っていく。
明日は出勤の曜日じゃないため、「夜何しようか。」なんて考えながら他の女の子に続き更衣室に入ろうとした瞬間、ママに呼び止められる。
「莉沙ちゃん、明日入れないかな?」
「え?女の子足りてないんですか?」
「皆明日休みで、私と百合ちゃんしかいないのよ。」
少し悩んだが、特に予定も無かったため
「大丈夫ですよ。」
と、返事をした。
明日も
いつも通りに出勤して、
いつも通りに仕事をして、
いつも通り仕事を終えて帰路につくと思っていたから。
―この選択がこれからの私の人生を狂わせる事になる。
