「え?呑ませた事? あれは私が勝手に…」 「違う。 俺、泣かせたから。」 「泣いた?私が?」 「覚えてない?」 全く覚えていない私。 私は酔うと泣き上戸になるのか。 更に恥ずかしくなる。 だけど泣いた理由が思い浮かばない。 再び暫くの沈黙が続き、誠也が大きい溜め息と共にまた口を開いた。 「俺、お前が知ってると思ってた。 隠してるつもりもなかったし。」 何の話しだろう。 鼓動が早くなる。 自分の体が心臓になったようだ。 「…俺、結婚してる。 一人子供もいる。」