腕時計を確認すると短い針は4を指している為、当然誠也や峠さんはもう店内にはいない。


思い出すと恥ずかしくて、ママと百合さんの説教が耳に入ってこなかった。


せっかく会えたのに、半分以上の記憶を飛ばしてしまうなんて。

変な事は言っていなかっただろうか。


その不安とは別に、違う何かに引っ掛かっている自分がいる。

一体何だっただろう。

思い出したいのに思い出せない。


説教は完全に右から左。


凄く重要な事だったはずなのに。